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シリーズ奈良の写真

海、京都とお届けしてきましたので、今回はちょうど今頃の奈良です。
風景写真の原点ともいえる入江泰吉の大和路の写真は、いわば中央集権国家としての日本の原点という幻影を創り出してくれました。そんな魅力に取り憑かれて私も古都を撮影するようになったのかもしれません。大和路はさまざまな魅力がぎっしりと詰まった撮影地ですが、とりわけゴールデンウィーク前後は被写体が豊富な季節です。そんなわけで今年もこの時期に奈良へ行こうと思っていましたが、他県への移動自粛ということで、残念ながらあきらめざるをえませんでした。

01室生寺シャクナゲ090519_001

土門拳の『古事巡礼』でも取り上げられている女人高野・室生寺の鎧坂とシャクナゲです。奈良を撮り始めたころ知り合った地元のハイアマチュアの人からは、本当の満開は3年に1度位と教わりましたが、この写真が今まで出会った中では最高の状態でした。奈良を代表する風景なのでとても人気があって観光客の数もかなり多くなりますから、この写真のように長い参道を入れたカットを無人状態で撮影するのは至難の技。当然ながら開門と同時に入るのですが、それでも人切れを待つのにそうとう時間がかかってしまいます。

02長谷寺ボタン190428_041

この時期を代表するもう一つの花が長谷寺のボタン。どのくらい通ったかわからないくらいですが、この写真のように花数が多かったのは後にも先にもこの1回だけです。地元に住んでいればで1シーズンに何回も通うことができるのですが、AWEY撮影の宿命です。4月の末に室生寺、5月頭が長谷寺の最盛期と思っているのですが、なかなか思うようにいきません。

03長谷寺新緑12_001120708

長谷寺のボタンは広い境内のあちこちで、かなりのカット数が撮影できるので、かなり満腹気分になります。それでも欲張って被写体探しをしていると細かいカットですが、金堂(本堂)の床緑。この季節は新緑も美しいので、被写体に困るということはまず考えられません。

04談山神社新緑15_0003

そう、新緑と言えば談山神社。奈良の紅葉を代表するといっても過言ではない談山神社は、この季節には新緑の名所となります。乙巳の変(大化改新)に際して中大兄皇子と中臣鎌足が密談したという歴史が社名の由来だそうです。鎌倉がらみでいえば、源頼朝に追われた義経も一時ここに隠れていて、地元には義経鍋という料理もあります。

05春日大社フジ777

そして春日大社の砂ずりのフジ。今は砂をするほど花房は長くありませんが、それでもフジといえばここといった印象です。もちろん藤原氏の氏神というイメージにつながっているということもあります。大きな神社ですが、実際に撮影する場所はそれほど広くないので、早朝に訪れるようにしています。
11年間の解体修理のために撮影できなかった薬師寺の塔と朝日の写真から始まって、久しぶりに春日大社、談山神社、長谷寺、室生寺と、この季節のゴールデンコースを巡る予定だったのですが・・・

06行者還サクラ190428_026

ゴールデンコースに対して、こちらはアクセスが極端に悪いので一般観光客はまったく訪れませんが、写真愛好家の間では近年大人気のなめご谷のサクラです。奈良の撮影地は結構高低差があるので、ちょっと標高が高いとこの季節に満開を迎えることになります。奈良駅周辺からだと3時間近く、明日香からでも2時間近くかかる場所なので、地元の人はSNSでまめに情報交換をしています。これに便乗して訪れるタイミングを調整していますが、ベストに出会えるにはあと何年かかるのか見当がつきません。

08葛城山ツツジ00_032

季節的には5月の半ば過ぎになりますが、ツツジの名所として多くの観光客を集める葛城高原。明日香から西に30分ほどの場所で、かなり長いロープウェイに乗って山の上まで移動します。秋には曽爾高原と人気を二分するススキの名所ですが、この季節は全山ツツジの花に覆われます。なかなかない壮感な風景です。

07船宿寺ツツジ

葛城市の少し南、御所市にあるツツジで有名な寺です。ただ、残念ながらゴールデンウィークだと、ほんの少しタイミングが早く、葛城高原の季節ではちょっと遅いというAWAYには難しいタイミングで満開を迎えるために、まだパーフェクトな状態に出会えていないのが残念です。

09飛鳥川新緑170429_001

そして、最後は飛鳥川の新緑。まさにこの写真のようなイメージを前から抱いていたのですが、なかなか撮影地を発見できないでいました。まったくの別件で石舞台古墳の裏にある稲淵集落の飛鳥川上坐宇須多岐比売命(あすかかわかみにいますたきひめのみこと)神社という、日本一長い名前の神社を訪れた帰り道に偶然みつけました。写真は有名所の決めカットも良いのですが、このような発見カットを見つけるのもまた違った嬉しさがあります。
ところで、STAY HOME対策の「シリーズ海の写真」と「シリーズ古都の写真』は本日でめでたく連続10日のアップとなりました。通常は月に1-2回のペースですから、これはまさに偉業といってよいでしょう(自画自賛です)。まだまだ続きそうな外出自粛。憂さ晴らしにもう少しお付き合いください。

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ジャンル : 学問・文化・芸術

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haradahiroshi

Author:haradahiroshi
古都写真家・原田寛
鎌倉好き・和文化好きな方々と共に集うサークル「倶楽部 和」を主宰しています。

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