FC2ブログ

シリーズ京都の写真2

京都というと雅という印象が強いかも知れませんが、新緑も意外なほどこの街の雰囲気に溶け込んで、似合っているように感じられます。今回は京都の青もみじ特集です。いつも思うのですが、この青は緑のこと、日本語では青と緑は度々混同されるようで面白いですね。

16清水寺新緑15_0028

古から京都では、新緑の美しい季節に雨が降ったりすると「清水さんに雨見にでもいきまひょか」といって出かける風習があるのだそうです。新緑に雨が似合うのは勿論ですが、それを直接「新緑を見る」と言わずに「雨見」と呼ぶところがとてもおしゃれに感じます。早速雨の中を清水寺に出かけて撮影した後にわかったのですが、雨見というのは霧雨のような細かい雨が下から舞い上がってくる状態を見るのだそうで、だから清水の舞台なのです。もう一度撮影しなければと思っています。

13-img546.jpg

紅葉で人気の東福寺ですが、当然ながら新緑も見事です。近年は新緑や紅葉の季節に通天橋を眺める臥雲橋の上は物凄い人で、通行の邪魔になるということで撮影禁止になってしまったようです。インバウンドが盛んに叫ばれるようになる以前も三脚は禁止でしたが、だんだん肩身が狭くなる世情です。この写真は逆に通天橋から臥雲橋の方向を見ています。京都を代表する新緑風景の一つです。

14平野屋新緑15_0006

観光客で賑わっている嵐山の一帯から少し北に向かうと、鳥居本と呼ばれる静かな地域があります。愛宕神社の大きな鳥居があることからの命名ですが、ここが一躍有名になったのは白洲正子が平野屋という鮎宿を贔屓にしたからではないかと思います。店の前の高台から見下ろす風景は新緑も紅葉も、いかにも京都らしい佇まいを見せてくれます。

17二尊院新緑160510_001

鳥居本から少し嵐山の方向に戻った小倉山のふもと、嵯峨野と称されるところにある二尊院。拝観受付から伸びる広い参道の両脇は、春はサクラに包まれていましたが、静寂の中で見る新緑も魅力的。やはり奥の石段が濡れている雨の日が風情を感じます。

18三千院新緑160511_010

京都の北東、大原の里にある三千院も新緑の美しい寺です。宸殿から往生極楽院の方向をみたシャクナゲや紅葉のカットが代表的ですが、私は往生極楽院前のコケの緑が大好きです。このコケの中にかわいい「わらべ地蔵」があり、観光客の注目を集めています。

15貴船神社新緑170426_005

大原から静原を経由して西に進むと貴船神社があります。かつては山間の静かな神社でしたが、今はパワースポットブームとやらで物凄い人気です。風情のある自然石の階段に朱塗りの灯籠の列。新緑と朱塗りの色彩対比がなんともいえない魅力を感じさせてくれます。

19法然院新緑160510_002

一度中心部に戻って哲学の道から少し登ったところ、鹿ヶ谷と呼ばれる場所にある法然院。素朴な茅葺の山門が魅力の寺です。ツバキで有名ですが、山門を入った両側の白砂壇も特徴です。ここも参道の石畳が濡れている雨の日が一番だと思います。

20安楽寺新緑160510_005

そしてすぐお隣の安楽寺。この一帯は平安神宮からもそれほど離れていないアクセスの良い地域なのにいつも比較的静かで、すぐしたの哲学の道の喧騒が嘘のようです。

22上賀茂神社_004122806

こういうのを新緑と呼ぶのかどうかは不明ですが、上賀茂神社の境内を流れるならの小川とシダの新緑です。時代劇のロケでよく登場する場所です。

23白川の新緑14_001

水辺の風景が続きますが、ここも京都を舞台にしたミステリードラマの定番撮影地・行者橋、川は白川です。私はあまり和服の女性を追いかけたりしませんが、この時はあまりに周囲の雰囲気に溶け込んでいたので珍しく撮影してしまいました。芽吹き柳というには少し季節が遅かったのですが、とても緑が美しい状態でした。

24岡崎疎水新緑160511_001

平安神宮の社前、岡崎疎水の新緑です。去年『古都櫻』展を開催したギャラリーの目の前という立地で人通りも多いのですが、偶然にも無人に恵まれました。新緑に赤い欄干が映えて、川面への映り込みも綺麗でしたが、橋の上に人だかりでは雰囲気が壊れてしまいます。

25宝ヶ池新緑160510_002

これも水辺で宝ヶ池です。すぐ近くに国際会議場などがありますが、観光客はあまり訪れない地域です。たまたま朝の散歩がてら立ち入ってみると、朝靄が漂って独特の空気感だったので撮影しました。

21海住山寺新緑170522_002

そして最後は京都といっても奈良との県境にある海住山寺。聖武天皇の恭仁京跡のすぐ近くですが、アクセスが悪いので観光客はほとんど訪れません。静寂の境内で国宝の五重塔に新緑や紅葉が映える贅沢な空間でした。
京都というとものすごい観光客の数で、人混みを見にきているような印象がありますが、洛中の一部有名寺社を除けば、意外に静かな場所もあります。今回の撮影地でも本当に混んでいるのは東福寺くらいでしょうか。新型コロナ禍が一段落したらまたゆっくりと奈良・京都の撮影をしたいとウズウズしています。

テーマ :
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

haradahiroshi

Author:haradahiroshi
古都写真家・原田寛
鎌倉好き・和文化好きな方々と共に集うサークル「倶楽部 和」を主宰しています。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク