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シリーズ鎌倉の写真4

鎌倉の魅力はいくつかの要素が重層的な点です。①寺社がたくさんあり②自然が豊かで③鎌倉文士の足跡が残されていて④ドラマや映画の聖地巡礼⑤美味しい店もたくさんあるなどです。そして江ノ電の魅力も忘れられません。かつて朝日新聞のWEBアンケートであなたの好きなローカル線というのがありましたが、見事全国第一位に輝いています。

 

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鎌倉高校前駅の踏切を日坂(にっさか)から見下ろしています。サーファーが海辺の古都らしい雰囲気ですが、最近は後ろ姿でないと肖像権だ個人情報だと自警団がうるさいのですが、鎌倉高校の女生徒を添景に入れようなどとカメラを構えていると、すぐ学校の先生が飛んでくるそうです。また、最近は「スラムダンク」の舞台だということで、聖地巡礼の外国人の集団でいつもごったがえしています。

 

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江ノ電前線15駅のうちホームの柱が木製なのは3駅だけです。写真の長谷駅と鎌倉高校前駅、江ノ島駅です。木製というだけで、どこかノスタルジックな雰囲気が感じられます。鎌倉高校前駅の写真はよく見かけますが、柱が金属製の味気ないものだったら、人気の雰囲気は少し違っていたかもしれません。そんな魅力的な長谷駅が最近改修されました。ホームも改修されたらどうしようと心配していましたが、木製の柱は無事生き延びました。


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江ノ電の写真としてはめずらしい俯瞰風景です。極楽寺駅近くの高台からですが、左手奥の海にヨットが写るように土日を選び、せめて緑だけでも美しくと思い今頃の季節に、そして江ノ電の車型も大切です。なにげない説明的に見えるようなカットでも、撮る側からすれば工夫のしどころはあるものです。

 

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こんなイメージが先にあって、実際の撮影地を随分ロケハンしました。やっと見つかったこの場所は右を向いても左を向いても江ノ電が全く見えない場所。近づいてくる音だけではなかなかタイミングが合わずに、失敗写真の枚数だけが増えました。一度失敗すると12分またなくてはならないので、根気のいる撮影でした。

 

虚子碑と江ノ電13_002

 

この写真は説明がないと、どうして撮ったのかと思われてしまいます。作品アプローチではなく説明写真の部類にはいります。じつはこの場所、高浜虚子の旧居跡なのです。目立ちませんが、小さな石碑には「波音や由比ヶ浜より初電車」と虚子の句が刻まれています。ちなみに初電車は始発電車のことではなく元日の朝一番に走る電車のことだと、鎌倉文学館の学芸員から教えていただきました。

 

江ノ電171119_026

 

極楽寺検車区の夜です。稲村ヶ崎に夕景を撮りにいく途中でしたが、出遅れたために間に合わないと思い、目的地を変更して撮影した写真です。転んでもただ起きない精神は、思わぬ発見をすることがあり、とても大切だと思っています。

明日は、車両が写っていない江ノ電風景という変なテーマでお送りします。

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シリーズ鎌倉の写真3

昨日は夏までの写真でした。少しというかだいぶ気が早いですが、今日は秋冬の写真です。

14宝戒寺擬宝珠0901

秋といえば紅葉、初秋といえば萩やヒガンバナなのに、どこが秋冬なのかという感じの写真です。いつも言っていることですが、風景写真は今ここにあるものしか撮影できません。なので空振りということがしょっちゅう起こります。大切なのは、そんな時どうするかです。私は「せっかく来たのだからただでは帰れない」と思うようにしています。いつも成功する訳ではありませんが、そんな心がけで生まれる写真もあります。この写真は宝戒寺にハギを撮影に入って空ぶった時の写真です。最近は「擬宝珠フェチ」を公言していますが、そのごく初期の写真でもあります。背景は本堂内に掲げられた提灯のボケです。

15大仏ライトアップ820

こういう写真を見ると「プロはいいですね。こんな時間帯に特別に撮影できるんですね」とよく言われます。でも、この写真は開門時間内に撮影しています。だから秋冬の写真なのです。日の入りが早い季節になると、閉門ギリギリの時間帯はこんな状況になります。もちろん月はいつも出ている訳ではありませんが。

16建長寺

そして、やっと建長寺の紅葉の写真です。先代豊島屋の社長とお話している時に、「鎌倉の紅葉は京都のように真っ赤にならないから、うちのお菓子の色も真っ赤にはしていない」と話されいてとても感心しました。そう、鎌倉の紅葉といえばどちらかといえばオレンジ色の印象が強いですが、太陽に透けた紅葉のなかにはたまに真っ赤に近い色に見えるものもあります。

16光明寺山門

そして冬はやはり雪です。鎌倉では年に1-2回降れば良い方で、年によってはまったく降らないこともあります。貴重な条件ということで、雪の予報がでると前夜に撮影コースを組んで早寝早起きになります。まだ暗いうちに起床しますが、それで雪が降っていないとガッカリさせられます。写真は光明寺の山門です。

17妙本寺101

妙本寺も雪が降ると写真愛好家が集まる場所です。このカットが一番の定番になっていると思います。l光明寺のカットもこれも屋根のある場所で撮影できるので助かります。
写真集からのピックアップはとりあえずこれで終わりにして、次回は江ノ電の写真をお送りします。 

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シリーズ鎌倉の写真2

写真集『鎌倉Ⅱ』からピックアップの第2弾です。写真集というのはだいたい100点ちょっとの写真で構成されることが多いのですが、私の場合は200点以上の写真を自分で一次セレクトし、信頼しているアートディレクターに2次セレクトは任せます。ここから先は極々たまにセレクトや処理の仕方で意見が相違して、喧嘩ごしになることがある程度です。つまり、最終的には客観的な目も大切にしたいと思っています。そんな訳で写真集用にセレクトしながら採用にならなかった写真シリーズも面白いと思っているくらいです。

09円覚寺山門1009

こればかりは好みというより仕方がないのですが、昨日の最終カットに続いて真っ正面からのシンメトリーカットです。場所は円覚寺山門。この門が夏目漱石の小説『門』のタイトルになったというのは有名な話です。そんな訳で書籍などで山門の写真が使われる機会が多いので、様々な方向、様々な季節の写真を用意してはいますが、個人的にはこのシンプルさが好きです。

10安国論寺

安国論寺本堂の床緑です。私もこの機会に知ったのですが、木の床というのは冷たい水を縛ってマメに拭かないと、こんなに映り込みしないのだそうです。お湯ではだめなので、冬の床掃除は結構辛いのだそうですが、寺で働いている人への励みになるといって、当時のご住職がとても喜んでくださいました。

11長谷寺アジサイ0937

鎌倉の花といえばまずアジサイ。明月院が元祖ですが、最近は長谷寺と双璧という感じになってきました。明月院のヒメアジサイに統一された清楚さも魅力ですが、長谷寺のようにこの豪華絢爛さも別の魅力があります。ただ、人気が物凄いので、無人で撮影するのが至難の技。季節になると、毎日開門と同時に走って入山する人が何人もいます。

12建長寺唐門前ハス

鎌倉でハスといえば鶴岡八幡宮と光明寺が双璧ですが、撮影向きには建長寺も魅力です。鉢植えなので近づいてさまざまなアングルを取りやすいことと、鉢ごとに種類が違うため、開花期が結構長く続きます。その裏返しで群生感はないので、こんなカットにしかなりません。ただ、個人的には造形的なカットが好みなので、撮りやすい場所です。

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奈良や京都と違って鎌倉には五重塔がありません。鎌倉をほんの少し外れた藤沢の龍口寺が周辺では唯一ですから、四季折々に撮影機会は増えます。青空に抜けるようにそそり立つ塔に百日紅がとても鮮やかに映えていました。
昨日の回がうまくアップできなかった理由の一つに、データが重過ぎたからではという可能性も考えられるので、一回の写真数を今回から少し減らしてみました。もともとは今日で終わる予定だったのですが、そんな訳で写真集シリーズをもう1日続けて区切りといたしいます。

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シリーズ鎌倉の写真1

せっかくのブログ公開していますが、海の写真を除くと今まで京都と奈良しか取り上げていません。地元だけに鎌倉の今を紹介すると、撮影や観光目的での外出を煽っているような気がしてしまうのが原因です。私の場合はプロとして活動しているわけですから全く撮影にでていない訳ではありません。今朝も午前3時に起きて小田原市の石橋山古戦場跡まででかけ、海の朝日を撮影してきました。鎌倉に戻ってきたらまだ6時でした。つまり、3密を避けられるような場所(結果として中心部を外れた場所が多くなります)と時間(朝夕が多くなります)に限って、多少は撮影しています。ともあれ外出を煽らないという観点で、今回は東日本大震災の年に出版した『鎌倉Ⅱ』掲載の写真をピックアップすることにしました。

01鶴岡八幡宮残照

鎌倉を長く撮影させてもらっている感謝の気持ちを込めて、毎年正月の三ヶ日の間に鶴岡八幡宮で昇殿祈祷することを習慣にしています。ある年たまたま混雑がすごくて時間が遅くなってしまい、拝殿から外に出てくると参道の向こうがとても幻想的な光景でした。そんな偶然で撮影した写真です。神様に感謝したら、逆に素敵な贈り物をいただいたという感じです。

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たまたま夕景が続きますが、これは光明寺の夕景です。「写真は朝夕」という言葉もあるくらいですから、夕景は撮影機会が多いのですが、どうしても海寄りが多くなってしまいます。平地が狭い鎌倉の中心部は山に囲まれているので、夕陽を撮影しやすい冬の季節には14時ごろには太陽が山影に隠れてしまう寺社もあったりします。そんな訳で寺社の夕景は撮影地が限られ、東寄りの場所が多くなります。光明寺もそんな寺の一つですが、ワンパターンになりがちなので、ここでは鐘楼の影が境内に伸びるところを造形的に捉えました。

03常立寺シダレウメ02

この写真はだいぶ以前に小田急電鉄のキャンペーンポスターに使ってもらった写真です。作者にはそれぞれ流儀があって、私の場合は「せっかく鎌倉を撮るのなら、画面の中に鎌倉らしさを入れる」が基本で、寺社の建物や参道などをできるだけ配置します。そんな訳で、この写真は例外中の例外。シダレウメの背後のコウバイがあまりに鮮やかな色だったので、思わず撮影してしまいました。

04龍宝寺ウメ1004

魅力的な写真の要素で朝夕に次ぐのが雨や霧、靄。大船・龍宝寺のウメです。写真集にもウメと表記していますが、もしかしたらモモかもしれないと思っています。お寺に確かめればいいようなものですが、それを怠ってしまいました。写真集をお届けした際も特に指摘されてはいませんが、いまだに気になっています。かなり広い境内で、思いがけない風景に出会うことが多いので、東京から鎌倉に通っていた時代には、いつも行き帰りに立ち寄っていました。

05東慶寺ハクモクレン555

立原正秋の小説『残りの雪』の冒頭に近いシーンで登場する東慶寺のハクモクレンです。かつてはそう説明すると通じたのですが、最近は立原を知らない若い世代の人が増えてしまいました。また、今は木が大きくなり過ぎて、花がもっと高い場所に咲くので撮影が難しくなってきています。

06鶴岡八幡宮サクラ0926

鶴岡八幡宮は鎌倉のサクラを代表する場所のひとつ。源平池の辺りに植えられたサクラは本数が多く、絶景と言っても良いほどです。鎌倉らしさという面ではあまり強烈ではありませんが、背景にかろうじてぼたん庭園が写っています(これでも見る人によってはわかります)。それよりも、これは花吹雪を撮りたかったカットです。

07妙本寺サクラ0916

妙本寺です。発色が美しいので『鎌倉Ⅱ』を出版した当時はこれで満足していました。今はずいぶん進化系が増えて、参道に僧侶がいる、靄がでている、夜のライトアップ、満月とともに、などなどになっています。狭い地域に寺社がまとまっているので、熱心な人はすぐ定番カットから脱却したくなるのかもしれません。やり過ぎるといかにも作為的な不自然さがにじみでてしまうので、その辺りのさじ加減が微妙です。

08陰陽滝1002

今泉の称名寺、陰陽の滝です。9-10月頃の早朝に訪れるとたまに靄がでていることがありますが、この日は空振りでした。ただ、シダの緑が美しかったので撮影しました。撮影地というのは、たいていある目的を持って訪れるのですが、後になってみると空ぶった時の方が工夫せざるをえないので、オリジナリティのある写真になる確率が高いように思います。

10円覚寺新緑809

円覚寺仏殿横の窓から堂内を見たカットです。かつて教室内では大流行したカットですが、残念ながら今は床に赤いパンチカーペットが敷かれてしまったため、撮影できなくなってしまいました。
長年撮影を続けていると、このような撮影できなくなってしまった風景がありますが、一方では新しい風景も生まれています。そんなわずかな変化を見つけるのも鎌倉散策の楽しみです。
ところで、連続10日のアップをしてきたブログが昨日1日抜けてしまいました。じつは昨日もアップしたのですが、なぜかうまくいきませんでした。原因は不明のままですが、今朝になって少しいじっていたら何故か無事完了しました。そんな訳で、連日アップを中止したわけではありませんので、これからもよろしくお願いいたします。

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2月写真教室

一部の教室メンバーから、たまには教室時に撮影した講師作品を見てみたいというご要望がありました。また、残念ながら教室に参加できなかった人向けの撮影地情報にもと思い、2月教室時の代表的カットを掲載します。

 

鎌倉宮カワヅザクラ200122_002 

 まずは普通科の午前中です(基礎科の午前中は座学です)。鎌倉宮のカワヅザクラ。神社らしく鳥居を入れたカット。絶好の青空バックで撮影できました。定番カットを想定すると参道を気持ちよく配置して、社殿手前の鳥居を遠景に入れるカットが想定できますが、この日は節分直前で豆まき用のやぐらが邪魔で撮影できませんでした。

 

鎌倉宮カワヅザクラ200202_009

鎌倉宮カワヅザクラ200201_005 

 そんな時はていねいに細かいカットを積み重ねるのが常道です。写真は今あるものしか撮影できませんから、こんな時こそ工夫が生まれます。

 

鎌倉宮カワヅザクラ200201_010

鎌倉宮カワヅザクラ200203_011 

 思いつきでこんなカットまで。上は門前にある看板の「鎌倉宮」の「鎌倉」部分だけを背景に、下は祭神の「大塔宮」の文字を背景に入れました。

 

鶴岡八幡宮ウメ200203_003 

 普通科月曜クラスでは、鎌倉宮のあとは鶴岡八幡宮のウメ。移動途中に荏柄天神社に立ち寄った人もいました。日曜クラスは逆順で廻りました。斎館入口のウメを参道と門を入れて撮影。逆光目の光がきれいでした。

 

鶴岡八幡宮サクラ200203_001 

 これはおまけののカットで、ぼたん庭園内から源氏池の島に植えられた早咲きのサクラ。種類は不明です。 

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プロフィール

haradahiroshi

Author:haradahiroshi
古都写真家・原田寛
鎌倉好き・和文化好きな方々と共に集うサークル「倶楽部 和」を主宰しています。

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